LESS~プラトニックな恋人~ Vol.11

LESS〜プラトニックな恋人〜:“女の欲求”に惑わされ、見失ってしまった愛

今、東京の男女が密かに抱えている悩みがある。

恋人や夫婦間での、肉体関係の喪失だ。

この傾向は、未婚の男女においても例外ではない。

2017年冬、相思相愛だったはずの彼・健太からプロポーズされた美和子は、涙を流す。

ふたりの5年間に、何があったのか?

実は同棲1年が経つ頃から、ふたりは不完全燃焼の夜を境に“プラトニックな恋人となっていた。美和子は思いをぶつけるが、レス問題は一向に解決しない。

30歳になった美和子は、学生時代の友人・茜に悩みを相談。御曹司・瀬尾を紹介され、健太と別れることを決意家を出る

そのまま瀬尾と夜を共にした美和子は彼のマンションで暮らし始めるが、大学時代の友人・杏奈から彼の過去について知らされ動揺する。


瀬尾さんの暴走


「美和子、週末は空けておいて」

朝、一糸乱れぬスーツ姿の瀬尾さんにブラックコーヒーを手渡すと、彼は思い出したようにそう言った。

相変わらず、否定する余地のない言い方。黙って頷く私に、彼は一方的に続ける。

「両親に会ってもらいたいんだ。僕から美和子のことは話してあるし、形式的な顔合わせだから緊張しなくて大丈夫。両親も結婚に賛成してくれているから」

「え!?」

その言葉に慌てた私は、高い声が出た。

結婚前提の付き合いであることは理解していたが、まだ正式にプロポーズされたわけではない。私の気持ちを確認する前に、まさか両親にまで話がいっているなんて。

抵抗の意図で聞き返したのだが、彼は私がただ気後れしているのだと思い込んでいるようだ。

「僕の母親は美和子と同じ学校なんだ。母は茜と同じで小学校からの付属組だけどね。そのことと、父親が銀行員、母親は専業主婦だということも話したら両親はとても好意的に受け取っていたよ」

瀬尾さんは満足そうにひとり頷くと、無言のままの私を気にすることもなく「じゃあ、また連絡する」と言って家を出て行ってしまった。

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