新婚クライシス Vol.7

新婚クライシス:妻の“子作り宣言”にノックアウト?自由を愛するエリート夫の、胸の内

―大好きな吾郎くんが、私と結婚してくれたー

数々の苦難の末に、結婚願望のない男・吾郎との結婚に辿りついた英里。

結婚はゴールでないことなど、百も承知。

しかし、そんな二人を待ち受けていたのは、予想を上回る過酷な現実であった。

愛し合っていたはずの夫婦は、どのようにすれ違い、溝ができてしまったのか。

男女の価値観のズレ、見解の相違、そして、家庭外での誘惑...。

二人はとうとう“新婚クライシス”を迎え夫婦のすれ違いは深まる。そんな中、英里は赤ん坊を連れた元彼・きんちゃんに偶然再会理想の父親像へと成長した彼の姿に触発され、ついに「子どもが欲しい」と吾郎に宣言した


―子ども...。

一人部屋に閉じこもった吾郎は、英里の「子どもが欲しい」宣言の重圧を受け止めるのに必死だった。

吾郎にとってそれは、まるで死角から思い切りフックパンチを食らった衝撃と等しく、ノックダウン状態からまだ立ち直っていない。

―突然何を言い出すんだ。アイツは......。

一応は結婚しているのだから、吾郎だって子作りが全く頭をよぎらなかったわけではない。

しかし、それはあくまで“いつか”の話であり、結婚してたったの半年、夫婦生活の心地良さというものをやっと理解したところで、この超難題に取り掛かるのは早すぎではなかろうか。

しかも、最近英里との関係は日に日に悪化しており、どう考えても子作りのフェーズではない。

「吾郎くん」

英里の小さな声が部屋に響き、吾郎の警戒心がピクっと反応する。

「一応、ゴハン作ったけど...。あとで食べてもいいし、食べなくてもいいから」

「い、いや。食べる。すぐ行く」

できれば英里の“子作り宣言”をもう少し消化するまで会話は避けたかったが、これ以上冷戦状態を長引かせるのは流石にまずい。

吾郎は戦場へ向かう武士の如く、気合いを入れてダイニングへ向かった。

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